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近世3

理解度チェック(近世3)

以下の問いに答えられますか。

解答例はページの下の方で。

1. 手工業と鉱工業の発展の特徴を説明できる。


2. 4代家綱政権の特徴と、政治課題を説明できる。


3. 家綱の政策を説明できる。


4. 諸藩の藩政改革の特徴を説明できる。

 


5. 5代綱吉の政治の特徴を説明できる。


6. 元禄期の幕府の財政悪化の要因とその対策、影響を説明できる。


7. 正徳の政治の特色を説明できる。


8. 農業生産の進展について説明できる。


9. 農業以外の諸産業の発達を、林業や漁業、製塩業、織物業、窯業、醸造業から説明できる。


10. 交通の整備と発達について説明できる。


11. 金・銀・銭の三貨を中心とする貨幣制度の特色を説明できる。


12. 両替商の業務と機能を説明できる。


13. 17世紀後半に大規模な年に成長した、江戸・大坂・京都の三都の特色と、各都市と全国市場との関わりを説明できる。


14. 問屋と卸内市場から、商業の展開を説明できる。


15. 元禄文化の担い手と、元禄文学について説明できる。


16. 朱子学派と陽明学派・古学派を対比し、これらの学派の思想的特色や系譜を説明できる。


17. 歴史学や自然科学、国文学へ儒学が与えた影響を説明できる。

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【解答例】

1. 手工業は様々な道具を駆使する高度な技術をともなって発達した。鉱工業では製鉄技術が刷新されて、金銀銅の鉱山の開発が活発化した。


2. 平和の到来のもと、幼い将軍が就任し、譜代大名の集団が幕政を運営した。最大の政治課題は、牢人・とかぶき者による治安・風俗の悪化であった。


3. 由比正雪の乱をきっかけに末期養子の禁を緩和して牢人の増加を防ぐ一方、牢人とかぶき者の取締を強化した。また、殉死の禁止を命じて領地宛行状を発行して将軍の権威を確認した。


4. 儒者を顧問にしたり、有能な家臣を補佐役にしたりして、領内の支配機構を整備して藩主の権力を強化した。また、領内経済の発展をはかった。


5. 綱吉は儒教を重視し、礼儀による秩序維持の政策をとった。また、生類憐みの令や服忌令を出して、相手を殺傷することで上昇をはかるという、戦国期以来の価値観の転換をはかった。


6. 鉱山収入が減少し、明暦の大火からの復興と寺社造営で支出は増加した。幕府は勘定吟味役荻原重秀の献策をうけ、金の含有率の低い元禄金銀を発行した。幕府の財政は一時的に好転したが、貨幣改鋳による貨幣価値の下落は物価の騰貴を引き起こし、人々の生活を圧迫した。


7. 新井白石は将軍職の地位と権威の強化をねらって儀礼を整備した。元禄小判を改めて金の含有率の高い正徳小判を鋳造させた。金銀の海外流出を防ぐために、海舶互市新例を出した。


8. 新田開発による石高の増加や農具・肥料・農書といった農業技術の進歩により、農業生産が発達した。全国市場の確立や都市の発達で商品流通が拡大して、各地の商品生産が活発化し、特産物が各地に成立した。


9. 林業の発達にともない、材木を扱う都市の有力商人が多く生まれた。漁業では、漁法の改良や沿岸部の漁場の開発が進んだ。製塩業では入浜塩田が発達し、各地で塩の生産がおこなわれた。織物業では高機などの技術が生まれ、各地で高級な絹織物が生産されるようになった。朝鮮人陶工たちの技術の普及により、各地で陶磁器の生産が盛んになった。醸造業では、酒や醤油などの生産が各地で発達した。


10. 陸上交通の整備にともなって、通信制度がととのえられた。水上交通が整備されて物資の運搬が盛んになり、全国規模の海上交通が完成して遠隔地を結ぶ運搬が活発になった。このようにして、三都を中心にした全国的な流通網が完成した。


11. 金は計数貨幣で、銀は秤量貨幣であった。銭も計数貨幣であり、寛永通宝が鋳造されて全国に供給された。ただし、東日本ではおもに金貨が流通し、西日本では銀貨が流通してそれらの相場は常に変動した。各藩による藩札も城下町を中心とする領内で流通した。


12. 三貨間の両替や秤量を商売とした。有力な両替商は、幕府や藩の公金の出納や為替・貸付などの業務も行った。


13. 江戸は「将軍のお膝元」とよばれる、日本最大の消費都市であった。大坂は「天下の台所」とよばれ、物資の集散地として栄えた大商業都市であった。京都には天皇家や公家の居住地があり、寺院や大寺社が多く存在した。また、呉服屋や両替商など大商人の本拠地が多く存在し、手工業生産も発達した。これら三都は、全国を結ぶ交通網である全国市場の要であった。


14. 全国市場が確立すると、有力な商人らは問屋仲間を組織して、物資輸送の安全、流通の独占をはかり、その活動は全国に及んだ。それによって、三都や城下町に卸売市場が発達していった。


15. 幕政の安定を背景に、元禄期には、上方の町人文芸がさかんになった。文学では西鶴芭蕉近松らを中心に多彩な文化が展開した。また、歌舞伎が民衆の演劇として発達した。


16. 幕藩体制の安定とともに、上下の身分秩序や「忠孝・礼儀」を尊ぶ朱子学は、大義名分論をもとに封建社会を維持する教学として、幕府や藩に重んじられた。知行合一の立場で現実を批判する陽明学は、幕府から警戒された。孔子孟子の古典に直接立ち返ろうとする古学派が生まれ、その系譜の荻生徂徠は政治・経済にも関心を示して、当地の具体策を説く経世論に道を開いた。


17. 儒学のもつ合理的で現実的な考え方が、諸学問に影響を与えた。

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