プロレタリア文学の名前の意味とは?
言葉のままに説明すると、労働者の文学です。
ただ、日本史で大正時代のプロレタリア文学と言えば、マルクス主義の立場で貧乏な労働者の解放を訴える文学というニュアンスが込められます。
プロレタリア(プロレタリアート)とはもともとドイツ語で「資本主義社会で、他に一切の生産手段を持たず、自分の労働力を資本家に売り渡して生活する賃金労働者。また、その階級。無産者」(日本国語大辞典)です。
資本主義社会に生きる人間は資本(生産手段)を持つ資本家(ブルジョワ)と、資本を持たない労働者の2種類に分けられて、その労働者側がプロレタリアです。
戦前では「無産階級」と約されていて、吉野作造の1919年の論文にも登場したことで、「無産階級」という言葉が広がりました。戦後は「労働者階級」という言葉が用いられるようになりました(国史大辞典)。「無産階級(プロレタリアート)」の定義と範囲は、国と研究者によって異なりますが、日本では小作人も含めることが多いです。
資本主義社会を資本家と労働者の対立と見るマルクスの世界観で多用される言葉なので、令和の今「階級」とか「ブルジョワ」とか「プロレタリア」とかの言葉を振り回しているのは一部の方々になります。
プロレタリア文学の代表は、
小林多喜二『蟹工船』
厳しい労働条件に苦しむ蟹工船の労働者たちが、団結して闘争に立ち上がる物語。
徳永直『太陽のない街』
大正15年(1926)の共同印刷争議を題材に、労働組合の闘争とその敗北を描いた作品。
葉山嘉樹『海に生くる人々』
貨物船の海上労働者たちが、しだいに階級意識に目覚めていく過程を描いた物語。
です。
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