初期議会:第ニ回総選挙で選挙干渉があったにも関わらず民党が勝利したのはなぜ?
直接に理由が書かれているものが見つからないのですが、
基本的には
①選挙干渉があっても大丈夫なほど、民党が支持されていた
というのが第一の理由だと思います。
あと、伊藤之雄『伊藤博文 近代日本を創った男』(講談社・2015年)に、第ニ回総選挙を前にして伊藤博文が政党を作りたいという意思を天皇に伝えたときに、「(伊藤が)枢密院議長を辞任して政党を組織すれば、大隈の改進党くらいの代議士数は得られるので、それで運動すればある程度政府を助けられる」と言ったことが書いてありました。
このことから推論すると、伊藤が第ニ回総選挙までに政党を作れなかったことも、民党が勝利した理由の一つとみなせるかもしれません。
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あ、ありました!
村瀬信一『帝国議会 〈戦前民主主義〉の五七年』(講談社)によると、
日本は直接国税15円以上を納める者にしか選挙権がないという制限選挙制をとっていました。制限選挙制のもとでは、選挙権があるのは中流階級以上の人たちとなります。
すると、ロエスレルの経験と認識によると、下層階級の人達と比べて「中流階級ほど自由主義的で、むしろ政府に批判的であった」(『帝国議会』)そうです。
なので、自由主義的で政府に批判的であった中流階級以上の人々が投票者の中心となるからこそ、選挙干渉があっても民党が票を集めることができたと言えます。
参考文献が引用するところでも、「北岡伸一氏は、選挙権が極めて少数の人にのみ許された特権であり、そうした誇り高い人々に対する官憲の圧力の効果が限定的であったためではないか、と推測している」とあります。
これは、かなり首肯できる見解に見えます。