Dual Moonと藤原道長 ーレトロゲーマーが思い出す日本史ー 【誰も得しない日本史】
生半可な知識と偏見で歴史トーク。誰も得しない日本史です。
この世をば わが世とぞ思ふ 望月(もちづき)の 欠けたることも なしと思へば
藤原道長の有名な歌です。
意味は、
「この世は、自分のためのものだ。満月のように欠けているものは何もない。」
といったところです。
《英訳してみよう》
道長の望月は欠けてないのに、タイトーの満月はワレてぶっ壊れる。
タイトーゲーの地球は、コッパにぶっ壊れることで有名ですが、月だって負けてはいません。
1991年に、タイトーから「メタルブラック」という横シューが、ゲーセンにリリースされました。
発売前から雑誌でも特集が組まれていて、かっこよさそうで楽しみにしていたのですが、田舎だととにかくどこのゲーセンにも設置されていない。
全国の事情は知りませんが、福岡県の南の方では、このころのタイトーゲームの出回りは本当に悪かったです。ガンフロンティアやメタルブラック、そしてナイトストライカーは自転車で隣の市まで行かないとなかったし。ギャラクティックストームは福岡市のカーニバルという大型ゲーセンにしかありませんでした。家からは60キロくらいのかなたです。グリッドシーカーとかダイノレックスもリアルタイムでは見たことなく、福岡市の大学に行くようになってから、初めて見ることができました。
しょうがないから、CDとかを聴きまくっていました。私的には、メタルブラックの曲では「Doubt」が一番好きです。
当時のタイトーシュティイングは、演出や曲に非常に凝っていました。そのセンスは、全国のゲーマーやのぶたボーイの厨ニ心をワシづかみにしたものです。
というわけで、メタルブラックの、月をバックに戦う2面の演出を、ぜひご覧くださいまし。
《英語訳》
Although Michinaga’s full moon is complete and perfect, the full moon in the TAITO’s video game is cracked and crashed!
自分で英文作っていうのもなんですが、「cracked and crashed」の部分が、声に出して読みたい英語的で気に入ってます。言ってて気持ちいい。
さて、道長の望月の歌ですが、これは寛仁2年(1018年)に、道長が三女威子を後一条天皇の中宮にしたときに読んだ歌です。藤原実資の『小右記』という日記に、その記録が残っています。
このときの道長は、4人の娘を天皇のキサキとし、3人の天皇の外祖父となるという絶頂を迎えました。
この世をば わが世とぞ思ふ 望月(もちづき)の 欠けたることも なしと思へば
人生、これくらい強気の歌をよんでみたいものです。
強気系のセリフと言えば、奈良の大仏を造るときの聖武天皇のセリフも、かましてくれています。
「天下の富を有(たも)つ者は朕なり。天下の勢を有つ者も朕なり。」
「朕(ちん)」とは、皇帝や天皇の自称ですね。人から税を集める側の人間は、言ってくれますね。