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執筆者の写真順大 古川

栄養全開、復活だーっ! 鈴木梅太郎:ONEPIECEでたどる日本史・ 科学技術史【誰も得しない日本史】

明治時代には、世界最先端の研究を行う科学者が輩出されます。

船乗りにとって危険なのは、敵の海賊だけではありません。

 

 

《英訳してみよう》

 

紙一重か…

 


 

カヤから船をもらったルフィ一味。船の名は「ゴーイング・メリー号」。英語版では"MERRY GO"。

海賊旗もかかげて意気揚々の一味。ところが、早速、一人で乗り込んでくる男が!

男は怒り狂って、叫ぶ! ルフィに斬りかかる!

「おれの相棒を殺す気かァ!」と。

しかし、まあ、ルフィはさすがに強い。その男を簡単にあしらってダウンさせる。

すると男は言う。「紙一重か…」と。

 

イヤイヤイヤ。全然勝負になってませんぜ、ダンナ。

 

 

《英文》

 

...A hair's breadth from death...

 

日本語の「紙一重」は、紙一枚分の違いという意味ですね。こちらの英語訳は、"hair's breadth"と、髪の毛一本分の違いだと言い表しています。

 

 

乗り込んできた男は、ジョニーでした。ゾロとは以前からの知り合いです。では、なんでジョニーがゴーイング・メリー号に乗り込んできたのか。それは、相棒のヨサクがルフィたちのせいで死にかけたからです。

ジョニーが言うには、ヨサクは数日前までピンピンしていたのに、突然青ざめて気絶を繰り返しはじめたと。そして、しまいにゃ歯も抜け落ちて、古傷が開いて血が吹き出してきたそうです。あまりに、ヨサクの体調がヤバイので、ジョニーはヨサクをある場所で休ませていました。ところが…

このヨサクに、ルフィたちがなにをしでかしたのか。そこは、思い出すか、マンガを読みなおしてください。

さて、そもそもヨサクは、なんで病気になってしまったのでしょうか。ナミが言うには、ヨサクの病気は壊血病とのこと。そして、壊血病の原因は、植物性の栄養の欠乏、すなわちビタミンの不足だったのです。

 

第20話です。

 

それでは、教科書に載っている自然科学系の偉人の業績をみていきましょう。

今日は鈴木梅太郎です。

 

 

鈴木梅太郎(Suzuki Umetaro)

薬学(scientist)

 

オリザニン(ビタミンB1)の抽出

→In 1910 Suzuki was researching the effects of rice bran in curing patients of beriberi when he discovered Oryzanin. His research was among the earliest of modern vitamin research.

rice bran…米糠

cure…治療する

patients of beriberi…脚気患者

 

鈴木梅太郎は、1874年に生まれました。白米だけ食ってると脚気になるけど、糠と麦と玄米食ってりゃ大丈夫だぜって言った人です。そして、その違いは何か?ビタミンだぜ~、って確定しました。鈴木梅太郎が一緒だったら、ヨサクも壊血病にならずにすんだはずです。

ただ、鈴木梅太郎がビタミンの概念を世界で初めて示したのは、日本語の論文においてでした。そして、この論文がドイツ語に翻訳されたときに、なんと「これは新しい栄養素である」という部分が訳されなかったんです。この結果、鈴木梅太郎はビタミンの発見者という名誉を、紙一重で逃してしまいました。

鈴木梅太郎は理化学研究所の設立者のひとりで、長岡半太郎、本多光太郎とともに、理研の三太郎と称されています。ちなみに、合成清酒を発明したのも、鈴木梅太郎です。

この人は、ツッコミどころがあるエピソードが、あまり出てきません。そーゆー、ガードが固い人は、このブログ向けではありませんね。もっと脇が甘い人生を送ってほしいもんです。

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