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中国近現代史1【アヘン戦争】【青木裕司と中島浩二の世界史ch:13】



世界史参考書の超ロングセラー『青木裕司 世界史B講義の実況中継』シリーズの青木裕司先生と、福岡を中心に活動する人気タレント中島浩二さんの青木裕司と中島浩二の世界史ch」の文章版です(許可を得ています)。


中島:

歴史を紐解けば世界が見える。大人の世界史チャンネル中島浩二です。そして我々の水先案内人は河合塾カリスマ講師、世界史の青木先生です。よろしくお願いします。

いよいよ中国の近代史というところに話を持っていこうということですね。


青木:

アメリカはずいぶんやっちゃったので、アメリカと中国がわからないと今がわからないですよね。


中島:

結局今、アメリカと中国、世界の2つの大きな国がどういう関係を築けるのかというのは、世界にとってはすごくすごく大切なところですよね。


青木:

世界の今と未来を決定しますからね。

中島:

なので中国という国、どういう国なのかというのを紀元前からやっていくと。


青木:

1年かかりますよ、それ。


中島:

そうなんですよ。なので近代史いきます。先生が今日、黒板に記したのが、これはどういうグラフですか?


青木:

掛け軸に危機、クライシス。横軸に時間の流れ。これを見ると中国がいかに動乱の歴史を展開していったかわかると思うんです。

中島:

1840年から始まってずっと見てきたら、絶えず戦争がずっと、内戦も含めて行われていたという大変な国ですね。


青木:

100年間で平和な時代のほうが少ないですね。100数十年間だけでも。


中島:

始まりですけど1840年、これに関してはもともと日本もそうですけど、欧米列強と言われる国がアジアに進出してきて、平和な社会を営んでいたところにああだこうだみたいなところは絶対ありますよね。


青木:

そうですよ。アヘン戦争という有名な戦争があって、イギリスが産業革命をやっちゃって、作った綿織物を中国に買わせたいと。ところがなかなか買ってくれないんですよ。しかも交渉するときに「土下座しろ」まで言うのね、中国。

中島:

中国がイギリスに言うんですか?


青木:

言うんですよ。中国って基本的に対等の国際関係は認めていないので。貿易したければやってやらないでもない、ただ土下座しろと言うんです。


中島:

というか、中国って本当に自分たちの国が世界というふうに思ってるメンタリティなんですね。


青木:

しょうがないですね。なんでも世界一ですもん、昔から。めちゃくちゃ豊かなんですよ。でなかったら14億人住めません。昔からそうです。ちなみに19世紀から話が始まってるけど、17世紀18世紀も中国、世界のGDPの3割から4割ぐらいはたぶん中国にあっただろうと。世界の富の3分の1か4割ぐらいね。そういう試算もあるんですよね。


中島:

というのはやっぱりシルクロードが発達したとか?


青木:

いや、基本的に農業がブリブリできて。


中島:

自国で賄えていて、きちんと生産力もあって資源もあったというところでの世界のGDPの30%。


青木:

それが一番大きいですね。もうひとつは世界で売れる輸出品があった。絹織物と陶磁器、そしてお茶。みんなが買いに来るんですよ。


中島:

そのあとイギリスが産業革命をやって、世界的には中国のほうがすごかったけれども、自分たちの商品を売ってくれということでやってきたときに、土下座しろとまで言うわけですね。

青木:

そうそう。なんだかんだあって、結局あんまりイギリスが要求したほど国を開いてくれなかったんですよね。じゃあもう戦争だと。


中島:

それがアヘン戦争ですか。


青木:

そうですよ、マーケットを獲得するための戦争です。それで中国がボコボコに負けちゃうんです。


中島:

というかなんでアヘン戦争と言うんですか?


青木:

話せば長くなるんだけど。


中島:

だってアヘンなんていわゆる麻薬ですよね。

青木:

さっき言ったようにイギリスは中国に綿織物を売りたいんだよね、マンチェスターで作った。これが買ってくれないと。


中島:

工場を作って作りすぎてるから買ってほしいと。


青木:

一方で中国からお茶をたくさん輸入しているんです。お茶はなんで必要かというと、上流階級が嗜むのもあったけども、それ以上に労働者に飲ませんといかんのです。


中島:

休憩の時間にお茶をちゃんと飲ませると。


青木:

いや、休憩というより朝ご飯。当時イギリスはパンの値段がすごく高くて、あそこは貧しいので小麦の値段が高いんですよね。労働者がしっかりパンを食べて工場に行くってなかなかできなかった。それを補ったのがなにかというと、余ったらしいミルクティーだったんです。砂糖でカロリーを補給して、なおかつイギリス人、俺たちもそうだけど、仕事が終わったあとに飲むじゃないですか。ベロベロの状態なんですよ。二日酔いで工場に行ったら死んじゃうので、カフェインが必要になってくる。


中島:

なるほど。それでお茶が必要だから中国からお茶をいっぱい輸入しなきゃいけない。


青木:

お茶をいっぱい輸入する、対価は銀しかないんですね。綿織物を売りたいけど買ってくれない。理由はいろいろあるけども、中国にも綿織物産業がある。もうひとつは、なんかイギリス人が作ったものって気持ち悪いんじゃないか、それを肌に着けるのが。そういう差別意識もあったみたいですね。


中島:

民族って本当に難しいですね。自分と違うものを認めるということをあんまりしないということですね。

青木:

そうですね。じゃあというのでイギリスは武力に物を言わせようとするわけですよね。さっき言ったけど綿織物を売りたいけど買ってくれないので、じゃあしょうがない、当時植民地化を進めていたインド、あそこでアヘンを、ケシの実を作らせて、アヘンを抽出して、それを密輸するという。密輸して中国人がアヘンを買ってくれるぶんだけイギリスから中国に渡される銀の量が少なくなっていくんです。イギリスと中国の貿易ってイギリスは買うだけ、中国は売るだけの貿易だったんですよ。アヘンをイギリスが売ることによって少し出費を防ぐ。よく質問されるのが、アヘンみたいな麻薬を中国人がみんな吸うんですか?って。みんな吸うんですよ。まず上流階級。毎日の生活が退屈で退屈でしょうがないんです。


中島:

なんにもすることがないんですよね。


青木:

それで刺激を求めてアヘンに手を出す。下層の人たち、貧乏な人たちは毎日の生活が苦しくて苦しくてたまらない。現実から逃避するためにみんなアヘンに手を出しちゃうんですね。


中島:

今は国際的に禁じられていますけど、当時は法律とかで禁じてないわけですもんね。気持ち良いものがあるなということで。


青木:

そうそう。薬というふうな認識もあったらしくて、シャーロックホームズ、探偵物語の。探偵の小説のシャーロックホームズの中にも「ちょっとアヘンを吸わせてもらうよ」というところが出てきますもんね。


中島:

文化としてもうあったと。じゃあインドでアヘンを作って、それを入れて、銀をある程度押さえて、それでアヘン戦争ですか?


青木:

そうです。イギリスはアヘンを売りたくて戦争を起こしたわけじゃない。あくまでも売りたいのは綿織物なんです。

中島:

ということですね。でもアヘン戦争という名前ですから、中国がアヘンでヘロヘロになっちゃったところにイギリスが行ってるみたいな印象はありますよね。


青木:

実際にアヘンが入ってきて中国人の精神と肉体を破壊するじゃないですか。中国の皇帝陛下がこれはまずいというので、麻薬貿易を禁止しようとお役人を派遣したわけです。

それがアヘンを取り上げるわけ。それを「取り上げられた!」といって戦争を始めちゃうんです。


中島:

それをきっかけに。


青木:

口実にして。あくまで口実になったわけ、戦争のね。


中島:

それでアヘン戦争というんですか。そこから話が始まっていくんですよ。これは大変な、でもそのときには清という王朝だったんですよね。

青木:

清朝ね。中国といったら中国人、いわゆる漢民族が多数派を占めるんだけども、清王朝は今の中国東北地方、昔で言う満州ですね。あそこに住んでいたツングース系のジュルチン族、これが民族名を満州族と名前を変えて、その満州人が今から400年ちょっと前、中国を支配してできた王朝なんです。


中島:

日本で言うと江戸時代が始まったぐらいに中国では清という王朝が始まって、いわゆる弁髪の人たちという。こうしてクルクルって。


青木:

タカタカタンタンタン。

中島:

というイメージです。こういう人たちがもともと治めていて、漢民族の人たちではなく。

先生、今週から10分授業になっちゃったので。予備校でオールナイトで授業をやってたような人だから、本当に10分授業で。

でもアヘン戦争って大変な戦争だったという印象があるので、ここから始まります、ここから近代史、何回シリーズで行くかわかりませんけれども、何回も何回もクライシス。これも先生が編み出したグラフなんですよね。時系列でどれだけ危機が高まっていって、戦争がそのときどういう戦争があったかというこのグラフ、次回も続けていくと思いますので。


青木:

アバウトなグラフだなあ。


中島:

中国、ちゃんと勉強していきましょう。








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