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うさぎ先生の 光る君へガイド:第6回「二人の才女」



うさようございまーす

第6回「二人の才女」の見どころをまとめるうさー

これからもガンガン登場するききょう(清少納言)は、今後少しずつ紹介していくうさ

年齢的に、ドラマからの退場が早そうな人たちを優先していくうさ


【動画版はこちら】(前編)


1, 新キャラ 清原元輔

ききょう(清少納言)のパパ・清原元輔は従五位上の下級貴族うさ

学者で下級貴族なので まひろパパ・為時と似た境遇うさ

あ、まひろパパ・為時はまだ六位なので 正確には「貴族」ではなかったうさけど


清原元輔は908年生まれなので 78歳うさ

元輔の清原真人氏は天武天皇の子孫うさ

かつて、元輔は村上天皇の951年から和歌で名声を得て 「梨壺の五人」と称されたうさ

百人一首には


契りきな かたみに袖をしぼりつつ 末の松山 波越さじとは


の歌が入っているうさ


元輔は政治色が薄いからなのか 政治的には下っ端の学者だからか

声が小さい関白頼忠系の小野宮流にも こわーい右大臣兼家系の九条流にも 円融天皇系の敵・源高明のところにも出入りしてきたうさ


注目されるのは元輔の年齢で 908年生まれの78歳は

これまでの登場人物最長老の藤原文範の909年生まれ77歳をこえて

輝く最長老記録を更新したうさ


驚くべきことは 本人の年齢以上に 娘のききょうとの年齢差うさ

清少納言(ききょう)は生没年不詳うさけど だいたい966年生まれという説があるうさ

この説をとると ききょうは道長と同い年の20歳で 16歳のまひろの4歳年上になるうさ

ここから計算すると ききょうはなんと元輔が58歳のときの子うさ!

これは、孫のような娘どころか ひ孫のような娘と言っていい年の差うさ


実際 これまで最長老だった藤原文範は まひろのひいおじいちゃんうさよ

藤原文範は元輔の1歳年下で 文範の孫ちゃんがちやはで ちやはの娘がまひろうさ

現代の感覚でいったら 元輔にとってききょうは70歳以上になってできた娘ちゃんうさ

しかも ききょうは超絶スーパーに頭が良いうさ

そりゃもう 学者で老齢の元輔は ききょうが可愛くて可愛くてしかたないうさね

元輔はききょうをものすごく可愛がって育ててきたと思ううさ

そりゃあ あの自己肯定感に満ち満ちて はっきりと物言う明るいききょうに育つはずうさ

パパ為時に「お前が男であったなら……」と言われ続けたまひろとの違いがおもしろかったうさ


なお、元輔は5年後の990年に83歳で死去するうさ



2, 声が小さい関白・藤原頼忠マニアックス

藤原頼忠は声が小さい関白で 飲むと声が大きくなるうさ 62歳うさ

子どもには円融天皇に愛された遵子と 漢詩が上手かった若きホープ公任がいるうさ

ドラマには出てこないけど 娘には前の動画で紹介した花山天皇の女御の諟子もいるので ぜひ概要欄からチェックしてほしいうさ


みんな忘れていそうだけど 頼忠は関白なので 今一番偉い人うさ

なんかひ弱そうな頼忠が どうして一番偉い関白なのかというと

頼忠の父親の世代に 頼忠のパパ・実頼と兼家のパパ師輔が争っていたうさ

このパパバトルは 実頼の娘が天皇の子を産めず

師輔の娘(兼家の妹でもある)安子が冷泉天皇と円融天皇を産んだことで決着がついたうさ

……かに思われた、しかし!


ライバル師輔は両天皇が即位する前に死去してしまったうさ

こうして 頼忠パパの実頼が冷泉天皇の関白となったことで 頼忠パパ実頼の勝利となったうさ

……かに思われた、しかし!


頼忠パパ実頼は冷泉天皇のおじいちゃんじゃなかったので力は弱く 死んだ師輔の息子たちが台頭してきたうさ

そんなとき 実頼は自分のことを「名ばかり関白」と自虐していたうさ

師輔の息子たちというのは 伊尹や兼通 そしてこわーい兼家うさ

あ、いちおう為光(花山天皇が愛した忯子ちゃんのパパ)も師輔の息子うさ

その後 冷泉天皇が譲位して円融天皇が即位しても 頼忠パパ実頼は摂政になったけど 

もう70歳とかだったので 間もなく死去したうさ

なので 頼忠パパの実頼は「名ばかり関白」とはいえ 最後までトップランナーでいられたうさ


しかし!

次の関白には師輔の息子 つまり円融天皇のおじさんズ長男の伊尹が任じられたうさ

師輔の系譜 これを九条流といううさけど ここからは九条流の時間うさ!


……かに思われた、しかし!

伊尹から兼通まではよかったうさけど 兼通と兼家が激しく権力を争ったうさ

さらに円融天皇が兼家と仲が悪かったこともあり 兼通の次の関白には 声が小さい頼忠が選ばれたうさ

このとき 声が小さい関白頼忠は54歳だったうさ


ただ 天皇との親戚関係が薄いと強い権力を持てないので このままでは頼忠は 「名ばかり関白」のパパ実頼と同じ運命をたどるうさ


だからこそ 頼忠は娘の遵子を円融天皇に入内させたうさ

ここで 「光る君へ」で円融天皇は兼家の娘の詮子ではなく 頼忠の娘の遵子を愛していたことを思い出してくださいうさ

あれは 個人的な好き嫌いだけでなく 反兼家(九条流)の円融天皇が なんとかして声が小さい関白頼忠(小野宮流)を引き上げたいという 円融天皇の政治的な行動でもあるうさ

円融天皇は そうとうに苦々しく兼家の孫の懐仁親王を東宮(天皇の後継者)にしていたでしょ うさ


兼家からみれば ライバル頼忠の娘・遵子が円融天皇の男子を生むかどうかに兼家系(九条流)の未来がかかっているうさから

安倍晴明に呪詛させてまで 遵子の出産を食い止めたうさ

そういえば 兼家は遵子呪詛の成功体験に調子に乗って 忯子の子も呪詛してまた成功したけど

これらの成功体験が のちのち我が身に跳ね返ってこないといいうさねえ 

「人を呪わば穴二つ」うさよ うささささ


話しを声が小さい関白頼忠に戻すうさ

今第5話を思い返せば 兼家・頼忠・雅信の3人がかりで為光の娘・忯子ちゃんのお腹の子を呪詛しようとしたときに

さすがに 頼忠は「オレの娘・遵子が円融天皇の子を産まなかったのも兼家が安倍晴明に呪詛させたからじゃね?」と察したと思ううさけど

そのあたりはどうなんでしょうねえ。。。


円融天皇が花山天皇にしたあとも 花山天皇の叔父の飲み会ヘタクソ義懐がまだ公卿にもなっていなかったので 第6話の段階でも 声が小さい頼忠が関白を続けているということうさ

ただ 政治の表場面では頼忠は身を引き始めたようで 花山天皇の即位後は政務を欠席することが増えたうさ


動画「第4回「五節の舞姫」 お目にとまらない系女子」でも五節舞のときに頼忠が早退した話しをしたうさよ 概要欄から見てくださいうさ



なお裏では まだ声が小さい関白頼忠の戦いは続いているうさ

頼忠は花山天皇にも娘の諟子を入内させているうさ

こちらのほうは 花山天皇が忯子ちゃん好きすぎて見向きもされていないうさ


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