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執筆者の写真順大 古川

安倍晴明 「光る君へ」人物事典013

【目次】


安倍晴明(あべのあるあきら):ユースケ・サンタマリア

まずは、NHK公式の紹介を引用して、大河ドラマ上での設定を確認しておきましょう。



陰陽師。陰陽寮(おんようりょう)に属する天文博士。並外れた占いの才能を持ち、常人にはない力があると畏怖される存在。天皇や貴族の生活はもちろん、政局にも大きな影響を及ぼす。


一般的には「あべのせいめい」と呼ばれることが多いです。「政局にも大きな影響を及ぼす」とは不穏ですね。

『古事談』『平家物語』などには。安倍晴明が藤原道長に対する呪詛をあらわしたといった説話があるので、こうした説話がどのようにドラマに取り入れられるのかが楽しみです。


安倍晴明は平安時代中期の有名な陰陽家で、土御門家の祖となります。

昔から神秘的な説話が多い。天変から花山天皇の退位を知ったとか、式神を使ったなど。。。


キャスト紹介:ユースケ・サンタマリア

1971年生まれの俳優、司会者、タレントです。

大河ドラマでは、『麒麟がくる』(朝倉義景役)に出演しています。



1~3回:まひろ初期(977~983年)ごろの安倍晴明

977年段階で、安倍晴明は約57歳です。


ドラマでは、のっけから安倍晴明が北斗七星を見上げていました。このときの「凶事」は何を指しているのでしょうか。

ドラマでは、詮子が円融天皇に入内した夜に安倍晴明の館に雷が落ちたとありましたが、史料で確認できませでした。

ドラマでは、遵子の呪詛を兼家に依頼されました。ドラマでは、この呪詛は”成功”します。


この時期、実際の安倍晴明についての記録は残っていないようです。




4~11回:花山天皇期(984~986年)ごろの安倍晴明

永観二年(984年)

7月27日、譲位と立太子の日を勘申します。「来月の16日じゃー!」という結果が出ました。

7月28日、昨日のを改めて、譲位と立太子の日を勘申します。「やっぱり、来月の27日じゃー!」とのことです。

ドラマでは、夜を徹して占っていました。まだ六位です。

7月29日、昨日の結果を進上します。


ドラマでは、愛されすぎ女子忯子ちゃんの子を呪詛するように圧をかけられます。


寛和元年(985年)

4月19日、ロバート実資の室のために祓をします。

5月29日、今日錫紵を給っても良いかと聞かれたので、勘申します。「明日じゃー!」という結果が出ました。


寛和二年(986年)

2月16日、太政官の官舎の庇に蛇がいたので、天文博士正五位下の安倍晴明が占います。「ドロボー(反乱?)に気をつけるのじゃー!」という結果が出ました。

2月27日、太政官の官舎の中に鳩ポッポが入ってきたので、天文博士正五位下の安倍晴明が占います。なんか上手く読めない結果が出ました。『本朝世紀』の記事です。




12回:「思いの果て」(987~989年)ごろの安倍晴明

永延元年(987年)

2月19日、一条天皇が凝華舎から清涼殿に遷るに際して、安倍晴明は反閉(へんぱい)を奉仕します。

3月21日、(一条天皇が? ロバート実資が??)二条に渡るに際して、安倍晴明は反閉(へんぱい)を奉仕します。


永延二年(988年)

7月4日、ロバート実資の娘が小野宮(実資邸)に帰るに際して、安倍晴明は反閉(へんぱい)を奉仕します。

8月7日、ハレー彗星の祭祀の日時を勘申します。「12日と19日じゃー!」という結果が出ました。

8月18日、安倍晴明がハレー彗星の祭事をサボって、怒られているようです。


永祚元年(989年)

正月6日、一条天皇の気分が悪くなったので、原因を占います。欠があって不明瞭ですが、「コックさんのせいじゃー!」という結果が出たようです。

正月7日、一条天皇が白馬節会に出御するに際して、安倍晴明は御禊を奉仕します。

2月11日、尊勝法泰山府君祭に奉仕します。

2月16日、円融寺への行幸にさいして、南殿で安倍晴明は反閉(へんぱい)を奉仕します。



13回「進むべき道」・14回「星落ちてなお」(990年)ごろの安倍晴明

この年、安倍晴明についての記録は残っていないようです。



15回「おごれる者たち」(993年)ごろの安倍晴明

正暦四年(993年)

2月3日、一条天皇の病気を御禊で治した功により、正五位上に昇進します。



16~18回「岐路」(994~995年)ごろの安倍晴明

ドラマの第17回では、安倍晴明は、もう見切りをつけたからか、関白に「様」をつけなくなったうさ

ちなみに、晴明は道隆のことを「ご寿命か、、、」と言っているけど

晴明はまだまだ生きるうさ さすが「病の者の穢」を一瞬で祓っただけのことはあるうさ


長徳元年(995年)

8月1日、正六位上行主計権助(?あれ、前年に正五位上になってたよねえ?)として見えます。

10月17日、前日の雷について、天文道として変異勘文を進上します。




19~21回:長徳の変(996年)ごろの安倍晴明

この年、安倍晴明についての記録は残っていないようです。




22~26回:長徳年間(997・998年)ごろの安倍晴明

長徳三年(997年)

5月24日、宜陽殿の御剣の改作について勘申します。「改作は良きなー!」という結果が出ました。

6月17日、一条天皇が東三条院詮子に行幸する日時を勘申します。

6月22日、安倍晴明の勘申にしたがって、一条天皇が東三条院に出発するために紫宸殿に出御したときに、安倍晴明は反閉(へんぱい)を奉仕します。




27回「宿縁の命」(999年)ごろの安倍晴明

長保元年(999年)

正月8日、一条天皇が北対に渡御するにあたって、安倍晴明は反閉を奉仕します。

7月16日、一条天皇の歯痛を占い、「祟ではない」との結果が出ました。

9月7日、このとき穀倉院別当?で、穀倉院の人事について、行成にお願いに行きます。

10月14日、前日に(一条天皇の?太皇太后の?)渡御について占っています。

10月19日、病となった太皇太后の行き先を占っているようです。

11月7日、防解火災御祭(ぼうかいかさいおんさい)の日時を勘申して、「13日がよろし」と答えます。晴明は、御祭に奉仕するように命じられます。ちなみに、この日は彰子が一条天皇の女御となった日です。


ドラマでは、12月に昌子内親王が崩御したことを受けて、晴明が道長に一帝二后を提案していました。




28回「一帝二后」(1000年)ごろの安倍晴明

長保二年(1000年)

正月10日、道長の命を受けて彰子の立后の日時を勘申します。欠があって不明瞭ですが、勘申の日を先に伸ばしたかもしれません。

正月28日、彰子が内裏を出る日、立后宣命の日、内裏参入の日を勘申します。

2月16日、一条天皇が法興院に行幸する日を勘申します。「来月の14日じゃー!」という結果が出ました。

8月18日、勘申あり。

8月19日、行成のオフィスにネズミがいたということで、晴明は占わされます。「口舌病じゃー!」という結果が出ました。処理の仕方も晴明が占うみたいです。

10月11日、一条天皇が南殿に出御するにあたって、安倍晴明は反閉を奉仕します。

10月21日、式部大輔代として、位記を読み上げます。




29回「母として」(1001年)ごろの安倍晴明

長保三年(1001年)

閏12月22日と24日、東三条院詮子が崩御したので、朝廷は「今年の大晦日の追儺(ついな・年末に疫鬼を追い払う行事)は止めとこうぜー」となりました。しかし、安倍晴明が空気を読まずに追儺をしたので、みんながまねして追儺をしましたとさ。



30回「つながる言の葉」((1002~)1004年)ごろの安倍晴明

長保四年(1002年)

正月7日、東三条院詮子の諒闇(喪に服すこと)によって、朝廷は追儺を停止するのですが、「追儺は安倍晴明が始めてやり始めて、みんなの間に流行りだした」的な注記がみられます(『小記目録』)。


長保五年(1003年)

8月21日に病となった敦康親王について占う。結果は、「邪気じゃー‼️」ということになります。


弘元年(1004年)

2月19日以前に、道長が木幡に三昧堂を建立すべきところを占っています。

6月18日、道長が20日に賀茂社に参詣しようとしていたところ、頼通の乳母が17日に死去します。出産に関する死だったので、不浄の恐れの有無を晴明は占わされます。「不浄じゃー!」という結果が出たので、道長は賀茂社参詣を延期します。

6月20日、道長に「仏像をつくろうと思うんだけど?」と聞かれたので、晴明は「今日は滅門じゃー!わろしー!」と答えます。道長は仏像をつくるのは止めました。



7月14日、五竜祭(雨乞い)を奉仕したところ、夜に大雨が降りました。一条天皇は「褒美を取らせよう」とのことでした。16日に褒美をもらいました。

8月22日、中宮彰子の大原野神社参詣の可否を占ったところ、「今は辞めるんじゃー!」という結果がでました。延期になりました。

9月25日、多武峰寺から藤原鎌足の墓が鳴動したという報告があったので、晴明が占って、多武峰詣を慎むべき年齢の公卿をリストアップします。

12月3日、土御門第供経養に際して、祭を行います。



解説:実際の安倍晴明・その後の安倍晴明

921年生まれ。『安倍系図』などによれば大膳大夫益材の子です。安倍晴明には吉平という子もいます。

天文得業生・天文博士・主計権助などを歴任して、長保三年(1001年)に従四位下となります。当時の貴族社会では「安四位」と呼ばれていました。

当時から、安倍晴明の名声は高いものでした。著書に『占事略決』があります。



【ドラマ以前の時期】

天禄三年(972年)

12月6日、天文奏をします。

12月11日、天文奏?をします。


天延元年(973年)

正月9日、天文奏をします。

4月19日、天文奏をします。

6月11日、物忌に関して勘申します。安倍晴明は反閉(へんぱい)を奉仕します。


天延二年(974年)

5月14日、主計寮がらみで『平記』に見える。

6月12日、河臨御禊をします。

12月3日、天文奏をします。



ドラマ31回以降


寛弘二年(1005年)

2月10日、東三条殿のリノベーションパーティーに遅刻します。

3月8日、彰子の大原野神社参詣に日に、安倍晴明は反閉を奉仕します。これが、安倍晴明に関する最後の記録となりました。

9月26日に死去したと伝えられます。約84歳でした。



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