戦後の配給【歴史部生徒質問・調べてみた】
- 順大 古川
- 8月11日
- 読了時間: 2分
個人レベルで調べて勉強しているので、誤りもあるかと思います。事実誤認や参考文献の読み間違いなどがありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
継続して勉強していきますので、参考文献や史料などの情報求むです。
【生徒さん質問】
戦後の配給はいつまでやっていたの?
回答:
国史大辞典によると、「需給関係の緩和とともに、乳製品・鳥肉・茶・錫などから統制廃止が始まり、二十四年にドッジ=ラインが実行されるなかで、急速に統制廃止が進んだ。戦後の衣料切符制(二十二年十月実施)も、人絹製品は二十四年に、その他製品については二十五年九月に実質的に廃止された。二十七年四月一日に臨時物資需給調整法は廃止され、主食のみが配給制の対象に残った。」とあります。配給ではありませんが、衣料品の切符制は1950年まで続いたわけです。
昭和館のサイトによると、酒類への統制は1949年5月に解除されて、同年7月に酒類配給公団が廃止されたそうです。
たばこと塩の博物館のサイトによると、「昭和25年(1950)には、たばこの割当配給制度も廃止され」たそうです。
先に国史大辞典に「二十七年四月一日に臨時物資需給調整法は廃止され、主食のみが配給制の対象に残った」とあった件ですが、レファレンス協同データベースに『日本経済史 4』(東京大学出版会・2007年)を引いて「1951年3月全ての雑穀の規制解除。1952年6月に麦類が間接統制に移行。」とあります。
なので、国史大辞典の「主食」は米のことを指すと思います。
米だけは別格で、食料管理制度が継続し、国立公文書館アジア歴史資料センターによると、「1969(昭和44)年に政府を通さずに流通する米を一部認めた自主流通制度が発足すると、やがて米穀通帳制度は形骸化していきます。1982 (昭和57)年1月、改正食糧管理法が施行されると、通常時の厳格な配給制度が廃止され、自主流通制度の法定化がなされました。」とあり、なんと米の配給制度は1982年まで形式的には継続していたそうです。
ちなみに、私は1982年以前に生まれたのですが、米の配給を意識したことがないのは、1969年以降は形骸化していたからでしょうか。
Comments