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中近東各国の歴史(2)現代イランの歴史(2)【青木裕司と中島浩二の世界史ch:288】



世界史参考書の超ロングセラー『青木裕司 世界史B講義の実況中継』シリーズの青木裕司先生と、福岡を中心に活動する人気タレント中島浩二さんの青木裕司と中島浩二の世界史ch」の文章版です(許可を得ています)。


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中島:

歴史を紐解けば未来が見える。大人の世界史チャンネル中島浩二です。そして世界史のカリスマ講師、河合塾の青木先生です。よろしくお願いします。


青木:

お願いします。


中島:

イラン。


青木:

1979年にイラン革命が起こって、ホメイニさんを代表とするイスラム法学者、これが主導権を握る政治体制ができあがっていったわけですね。そのイランの国際関係なんですが、当然ながらこれまでのイランの王様、パフラヴィ2世を支援してきたイギリスあるいはアメリカとの関係は当然悪くなるわけですね。そういうことでアメリカから睨まれてしまうということになっていくわけです。

一方でイラン、革命によって王様が打倒されたわけですよね。これを見て不安に思う国々がまわりにいるわけです。それはアラブの王様が支配している国々。たとえばヨルダン、たとえばサウジアラビア、あるいはUAEですね、アラブ首長国連邦。



中島:

ほぼあのあたりはそういう文化。


青木:

王政の国ですよね。革命後のイランってイランイスラム共和国、要するに世俗の権力者がいない世界だよと。王様とか皇帝と言われる人がいない。それに嫌悪感を持つサウジアラビアとの対立。それから、革命によっていろんな資産を奪われてしまったアメリカやイギリスなんかとの対立。そういったものの中でイランというのは孤立感を強めていくわけですね。孤立感を強めたイランがどうしたかというと、まわりから攻められる前にこちらから攻勢に出ていこうというので、言うなればイラン革命の輸出、これを始めていくわけです。

まずホメイニさんがやったのがなにかというと革命防衛隊という軍事組織を作るんです。イランにも国軍があるわけです。ところがイラン国軍というのは基本的に前の政権、すなわち王様であるパフラヴィ2世に忠誠を誓ってきた人間。だから100%信用できないと。



ドイツ国軍、これとは別に武装親衛隊という全部ヒトラーの言いなりになる軍隊を作ったのと一緒で、それと一緒にしたら革命防衛隊に悪いですけども、ホメイニさんも自分が統率できる別の軍事組織としてイラン革命防衛隊というのを作ったわけですね。その中にゴドス部隊というのがあって、これがいわゆる対外政策を牛耳っている部隊。その司令官がソレイマニ司令官といって、今から3、4年前にアメリカ軍の攻撃で殺されちゃったんですけどね。このソレイマニ司令官を中心として、たとえばレバノンにヒズボラという組織という組織ができたのを一生懸命応援するとか、あるいは同じシーア派の政権であるシリアのアサド政権を応援するとか、あるいはサウジアラビアの南側にいるイエメンのシーア派、いわゆるフーシ派を支援する。バーレーンなんかも国民の半分以上は確かシーア派ですもんね、そういったバーレーンなんかとの関係性も緊密化しようとして努力をする。

これは前に見せた地図なんですけども、シーア派が多数を占める国、あるいはシーア派の権力者がいる国との関係性を強めていくと。こうしてみると君主制の国々が包囲されてるんです。こういう中で対立が深まっていくということになるわけです。



一方、日本とイランとの関係。


中島:

実は親日なんですよね。石油をどこも買ってくれなくなったときに出光佐三さんがドーンと船を出して。



青木:

日章丸を派遣して、1951年の話なんですけども、イラン石油国有化を日本の出光興産が支援してくれたと。さらにちょっと古い話になるけども、その50年前にはイランを歴史的にいじめてきたロシアを日本が打ち破ってくれたと。この2つが大きなきっかけになってイラン国民は基本的に親日家の人たちが多いんです。

そのイランから日本は今から50年ぐらい前、パフラヴィ2世の時代から石油をたくさん買っていたわけです。日本が必要とする石油の30%ぐらいは実はイランから買っていた。1979年にイラン革命が起こったあと、イランとアメリカの関係が悪くなったあとも日本はアメリカの目をかすめながら。


中島:

まだちゃんとアメリカ100%の言いなりじゃなかった政治家の人たちがいたんだなという、今はアメリカの顔色ばっかりうかがって、国際舞台で日本というのがちゃんと地位を保っているのかなって、経済的にもしょぼくなったというのはあるんですけど、ずっとアメリカのうしろにばかりくっついていて。


青木:

それがちゃんと日本の国益になっていればまだ良いですよ。必ずしもそうじゃないことも結構あるみたいな感じがしてね。ただおっしゃったように今の日本の政治家と違って40年前から50年前はアメリカとの関係がそこそこ悪くなっても、たとえばアメリカと敵対している国々から石油は買い続けるよと。実際に買い続けていたんですよ。

ところが20世紀の後半から21世紀に入って、特に21世紀に入ってイランが核開発をやっているんじゃないかと。それで特にトランプさんの時代に制裁をかけていった。トランプさんはどうしたかというと、イランの石油を買う国に対しては我々アメリカは経済制裁を発動す



ると。これが日本に効いちゃって、結局現在、今は2024年ですけども、この10年間はほとんどゼロですね。

そのぶんこれまで以上にサウジアラビアとかUAEとかクウェートとか、いわゆる中東のアラブの国々からたくさんの石油を買っているという状況ですね。


中島:

結局日本にとってはあのあたりからエネルギーを買っているので、あのあたりがどうなるかというのは実はめちゃくちゃ大変な話なんですよね。


青木:

大きいんですよ。ついでに言うと50年ぐらい前まではインドネシアからも結構石油を買っていたんです。太平洋戦争なんてインドネシアの石油というのが大きな目標だったじゃないですか。インドネシアからも石油を買っていたんだけども、インドネシア自身が経済発展をして自国で生産される石油を使い始めたんです。そのぶん日本に来なくなっちゃったんです。というので50年前、1970年代前半、日本は中近東の国々、イランを含めてですけども、だいたい80%ぐらい日本が必要とする石油を採っていた。今は90%を超えていますからね。95%に近づいている。


中島:

本当にそこまであそこに依存すると本当に日本がいろんな、中東の和平ということに大きく寄与しないといけないというところなんですよね。


青木:

日本とって最悪の悪夢はここで大きな紛争が起こってホルムス海峡が封鎖される。あるいは紅海の出口、マンデル海峡というんだけども、これが封鎖される。そしたら日本はアウトです。日本の石油の備蓄って200日ぐらい一応あるんだけど、そんなのすぐ使っちゃいますよね。



中島:

これは大変な話なんですよ。


青木:

日本の国益と直結する情勢なんですよね。「このへんで問題が起こっても日本から遠いよね」って、全然遠くない。


中島:

なので中東をしっかりやっています。


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