【目次】
花山天皇(かざんてんのう)(師貞(もろさだ)):本郷奏多
まずは、NHK公式の紹介を引用して、大河ドラマ上での設定を確認しておきましょう。
65代天皇。東宮(皇太子)のころから、紫式部(まひろ)の父・為時による漢籍の指南を受ける。即位後、兼家の孫である懐仁(一条天皇)が東宮となったために、早々の譲位を画策され、大事件が起きる。
高貴なるクズを演じさせたら日本一の、本郷奏多の演技が見ものでした。
キャスト紹介(本郷奏多)
スターダストプロモーション所属の俳優です。1990年生まれです。大河ドラマでは『麒麟がくる』に出演しています。
解説:実際の花山天皇
冷泉天皇の第一皇子で、母親は太政大臣藤原伊尹の娘の懐子です。
女御の忯子ちゃん好き好きマンです。
19歳で出家してしばらくはまじめに修行しましたが、やがてダメダメな女好きになります。矢が袖に飛んでくるほどに。。。ただ、このへんは後世の歴史物語などにしかみられない話だとして、監修の倉本一宏氏は否定しています。
「風流者」(『大鏡』)で、和歌や絵画、・建築・工芸・造園などが得意でした。
草稿:以下は『国史大辞典』
九八四―八六在位。諱は師貞(もろさだ)。出家ののち入覚と号した。冷泉天皇の第一皇子、母は太政大臣(一条摂政)藤原伊尹の女の女御懐子。安和元年(九六八)十月二十六日誕生、同二年八月十三日立太子、永観二年(九八四)八月二十七日叔父円融天皇の禅りをうけて、十七歳で践祚。同十月十日即位。関白は前朝につづいて藤原頼忠であったが、政治の実権を握ったのは天皇の叔父(伊尹の男)権中納言藤原義懐で、左中弁藤原惟成(天皇の乳母の子)とともに気鋭な政治を行なった。中でも永観二年十一月二十八日、格(いわゆる延喜の荘園整理令)後の荘園を停止したことは、同日破銭を嫌うことを停止したこととともに、律令制解体の傾向を抑止しようとした意欲を示すものである。しかし、寵愛する女御藤原子(為光の女)の死に心をいためた天皇は、寛和二年(九八六)六月二十三日早暁、蔵人藤原道兼に導かれて内裏を脱出し、東山の花山寺に入って出家した。これは外孫の皇太子懐仁親王(一条天皇)を即位させようとする右大臣藤原兼家(道兼はその男)の陰謀に乗ぜられたもので、花山朝はわずか一年十ヵ月の短期間に終った。花山法皇は同年七月播磨国の書写山に赴いて性空に結縁し、ついで叡山に登って廻心戒を受け、さらに熊野に入るなど、仏道修行に励んだ。しかし帰京して後には、東院(花山院)の「九の御方」(伊尹の女)のもとに住み、また乳母の女中務とその女を母子ともに寵愛するなど、色好みの名をほしいままにした。藤原為光の女に通ったことから、藤原伊周に誤解されて矢を射かけられた事件は、伊周と藤原道長の政権争いに重大な影響を及ぼした。花山法皇はまた「風流者」(『大鏡』)としてもきこえ、和歌をはじめとして、絵画・建築・工芸・造園などに非凡の才能を示した。中でも、藤原公任の撰した『拾遺抄』を増補して『拾遺和歌集』を編纂したのはその業績とみられ、集中に勅撰和歌集としてはじめて連歌を収録したのは特色である。晩年には政権を掌握した藤原道長に敬重され、寛弘五年(一〇〇八)二月八日、四十一歳で崩じた。家集に『花山院御集』があったが、いま伝わらない。しかしその作品は約百二十首存している。
年表
花山天皇の略年表を示します。年齢は数え年です。
968年:1歳。誕生。
969年:2歳。立太子。
977年:10歳。読書始めの儀。藤原為時などに漢籍の指南を受ける。
984年:17歳。8月27日、践祚→10月10日、即位
女御藤原忯子、死去
986年:19歳。6月23日、蔵人の道兼にダマサれて内裏を脱出→東山の花山寺に入って出家
帰京して女遊び。
996年:30歳。花山法皇の院司が藤原公任と藤原斉信の牛童に濫行。
997年:31歳。花山院で、道長の前駆の従者が追捕される。
1008年:41歳。2月8日、崩御。
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