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まひろ(紫式部) 「光る君へ」を楽しむ人物事典001

更新日:1月18日


※β版(2024/01/18):ドラマの設定が確定したので、年表を修正しました。


【目次】

まひろ(紫式部):吉高由里子/落井実結子

まずは、NHK公式の紹介を引用して、大河ドラマ上での設定を確認しておきましょう。


平安時代、10世紀後半に京に生を受ける。名前は「まひろ」。藤原家の生まれではあるが、は受領階級で、けっして裕福ではなかった。幼いころを失うが、学問をつかさどる父のもとで、並外れた文学の才を発揮し、想像力と好奇心を育んでいく。まひろは、考え深く鋭い感性を持つ女性へと成長する。

数歳年上の藤原道長とは、少女のころ知り合い、惹かれ合うも、身分差に阻まれる。やがてはるかに年上の男性と結婚して娘を授かるも、死別。一人娘を育てながら、のちに『源氏物語』として知られる長編小説を書きはじめる。

道長との縁が絶えることは、終生なかった。彼への愛憎は、まひろの人生をさいなみ、そして花開かせる。『源氏物語』の評判が高まり、まひろは、道長の求めで、その長女の中宮・彰子に仕える宮中の女房となる。現代でいえば華やかなキャリアウーマン。一方で、まひろが書きつづる『源氏物語』は、道長のバックアップを受け、天皇や貴族の間で大ベストセラーとなる。


まひろ(紫式部)は生没年不詳です。

生まれたとしも気になりますが、それ以上に、ドラマではいつまで生きていたことにするのかのほうが、注目されます。

なぜかというと、紫式部が死去した年にはさまざまな説があり、どの説を採用するのかによって、ドラマの後半が大きく変わってくると考えられるからです。

たとえば、一番早い説をとると、紫式部は道長が摂政になったり、望月の歌を詠ったりするより前に死んでしまいます。


まあ、監修が国際日本文化研究センター教授の倉本一宏先生なので、その著書(後述)がベースになるとは思うのですが。


吉高由里子

いったん、NHK公式の紹介を引用しておきます。随時加筆していきます。

1988年東京都出身。2006年、映画初出演となる『紀子の食卓』で「第28回ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞受賞。

2008年に映画『蛇にピアス』で主演を務め、「第32回 日本アカデミー賞」新人俳優賞と「第51回 ブルーリボン賞」新人賞をダブル受賞。2014年には連続テレビ小説「花子とアン」(NHK)でヒロインの村岡花子を演じた。

主な出演作品は、ドラマでは「東京タラレバ娘」、「正義のセ」、「知らなくていいコト」(日本テレビ)、「わたし、定時で帰ります。」、「危険なビーナス」、「最愛」(TBS)、「風よあらしよ」(NHK)。映画では『ユリゴコロ』、『検察側の罪人』、『きみの瞳めが問いかけている』。大河ドラマへの出演は2008年の「篤姫」以来2回目。


落井実結子

幼少期のまひろは、落井実結子さんが演じています。


2014年生の子役で、大河ドラマでは鎌倉殿の13人で大姫を演じました。


解説:史実としての紫式部

紫式部の本名は分かっていません。

「香子」(かおるこ/こうこ/こうし/たかこ/よしこ)だったという説もあります。

学者でうだつの上がらない藤原為時の娘です。ただ、学者の家系に生まれたことにより、紫式部は若くして漢文や和歌の素養を身に着けていくことができました。


紫式部(まひろ)は本名も生年も死没年も分かっていないので、紫式部の生年については、ドラマ監修の倉本一宏先生の著書『紫式部と藤原道長』が暫定的に採用する、


天延元年(973年)生まれという説


によっておきます(提唱したのは岡一男氏とのことです)。

ドラマ上での設定が明らかになれば、ドラマ上の設定に合わせて修正します。

※ドラマでは970年生まれだということが、第2話で確定しました。


紫式部は20歳近く年上の陽キャ(藤原宣孝)と結婚します。

しかし、結婚後数年で宣孝は死去します。

このころより『源氏物語』を書き始めたと考えられています。


そして、源倫子道長の奥さん)に抜擢されて、中宮彰子の女房となります。娘の賢子が6歳だったこともあり、紫式部は最初は宮仕えを渋りますが、道長為時を通して圧をかけてきたといいます。

なお、出仕していきなり心が折れて、家に出戻って5ヶ月間も引きこもります。


内裏では、紫式部は「藤式部」と呼ばれました。

優秀な紫式部は他の女房にやっかまれますが、漢字の「一」も読めないぐらいおバカなふりをして乗り切ります。


年表

では、970年設定生まれ設定にもとづいて、紫式部の略年表を示します。年齢は数え年です。


970年?:1歳。誕生。

975年?:6歳。母(ちやは)と死別。


若いとき?:弟惟規が漢文を習っているのを横で聞いていただけで、惟規よりも上達した(『紫式部日記』)

980年:11歳。異母弟の定暹が生まれる。


986年:17歳。花山天皇退位で父為時が失職し、十年ほど無職となる。紫式部の結婚が遅かった原因か。


小倉百人一首に収録されている「めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」を詠う。


992年:23歳。ある男と恋愛関係⁉

994年?:25歳。姉が死去。キャストが発表されていない?どうなる??

996年:27歳。父為時が越前守として越前国に下向。紫式部も同行

995年:28歳。紫式部だけ帰京。

998年:29歳:藤原宣孝(40歳ごろ?)と結婚。(宣孝には本妻がいるので、本妻のもとから紫式部のもとに通っていた)

999年:30歳:藤原賢子(後の大弐三位)を生む。この年、彰子入内。

1001年:32歳:春、父為時越前から帰京。

       4月25日、夫の藤原宣孝(40代中盤?)が死去


この頃から『源氏物語』の執筆を始めたといいます。


1002年:33歳。正月、求婚される。


1006年:37歳:一条天皇(27歳)の中宮・彰子(19歳)に出仕倉本説)。人物叢書は1005年12月29日とするなど異説あり。


いったん引きこもる。


1008年:39歳:『紫式部日記』を書き始める。『源氏物語』のせいで、「日本紀の御局」と呼ばれる。

      道長から女郎花をもらう。

      11月1日、公任が紫式部の局を訪れる。

      『源氏物語』の製本をしたり、道長に草稿本を持っていかれたり。

      12月初旬、退出す。

      12月29日、再び出仕す。

1009年:40歳。彰子が懐妊し、土御門殿に移る。紫式部も同行。

    夏、土御門殿で道長と歌を交わす(『紫式部日記』)。

     、敦成親王の五十日儀で藤原公任にからまれる。道長とも歌を交わす。これが評判となり、「紫式部」と呼ばれるようになる(『紫式部日記』)。

1010年:41歳。このとし、宇治十帖を書き始めたか。『紫式部日記』を書き終える。

       正月2日、土御門第臨時客に奉仕。父為時も出席。

       正月、数日退出。

1011年:42歳。一条天皇崩御。御大葬に歌を献ず。

       父為時が越前守に→同行した惟規死去。

1012年:43歳。彰子(25歳)のもとを辞す?(?要確認)。

       5月28日、藤原実資彰子に取り次ぐ(倉本説)(人物叢書も)。

       6月29日、彰子の枇杷殿に虹が立つ。

1013年:44歳。実資彰子に取り次ぐ(倉本説)。

       『紫式部集』を編集。

1014年:45歳。生存が確認できる最後の年。

1016年:47歳。父為時が出家。

1019年:50歳。実資と会話した?(倉本説

1020年:51歳。実資と会話した?(倉本説

1021年:52歳。実資と会話した?(倉本説

1023年:54歳。実資と会話した?(倉本説

1027年:58歳。実資と会話した?(倉本説



「光る君へ」を楽しむ文献リスト

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