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源俊賢 「光る君へ」人物事典020

更新日:5月2日



【目次】

源俊賢(みなもとのとしかた):本田大輔

まずは、NHK公式の紹介を引用して、大河ドラマ上での設定を確認しておきましょう。


妹は道長の妻・明子。父の高明を政変後に失うも、持ち前のバランス感覚で地道に出世する。当初は道隆に仕えていたが、道長に権力が移るのを冷静に見定め、頭角を現していく。


ドラマの紹介に「道長に権力が移るのを冷静に見定め、頭角を現していく」とあるように、妹の明子道長に嫁いだり、四納言の一人と称される能吏となったりします。以下で紹介しますが、俊賢は一度道長派となったあとは、徹底して道長におべっかをつかいます。


エピソード18「うつろい」の995年には俊賢は従四位下なんですが、四位以上が着ることができる黒の束帯や、五位が着れる赤の束帯ではなく、六位が着る麹塵(緑系の色)の束帯を身に着けていますね。これは、以前のロバート実資と同じです。


本田大輔(ほんだだいすけ)

東京都出身の俳優です。大河ドラマでは「龍馬伝」「麒麟がくる」に出演しています。


解説:史実からみた源俊賢

左大臣源高明の三男で、母は藤原師輔の娘です。醍醐天皇の子孫にあたります。大学受験的には、源高明は969年の安和の変で失脚した人ですね。道長パパ兼家も高明追い落としに関係していたと言われています。このとき、俊賢は10歳でした。

つまり、俊賢・明子兄妹にとって、もともと右大臣家は政敵だったんです。

だからこそ、明子道長と婚姻しつつも兼家を呪詛していたのです。

そして、エピソード18「うつろい」で、いよいよ兄俊賢も妹明子道長につく(反道隆伊周)ことを決意したという展開です。

あ、いちおうですが、俊賢の母は藤原師輔の娘なんで、そもそも俊賢は道長の従兄弟でもあります。複雑ですね。


大河ドラマでは飛ばされた992年、蔵人頭への任命争いで、従四位上の藤原斉信をぶっこ抜いて、正五位下の俊賢が蔵人頭に任命されました。

その後、1002年に俊賢が彰子に仕える中宮権大夫になったときは、斉信が上司で中宮大夫でした。なお、エピソード17段階(994年)のときは、道長が中宮(定子)大夫で道綱が中宮(定子)権大夫でした。

俊賢のほうが斉信よりも歳上なので参議になるのは俊賢が一年早かったのですが、位階的には、ずっと斉信のほうが上位にありました。、


能吏として優秀で、道長に信頼されていたからか、彰子が出家するまで一貫して彰子の中宮職を勤め続けました。

道長の日記『御堂関白記』でも、勤公が人に優れていると高く評価されています。


俊賢は、彰子が入内したときに、花山法皇藤原公任・藤原斉信などとともに、彰子の和歌屏風に和歌を献じました。

このとき、ロバート実資は、「そんな話はこれまで聞いたことがない。(実資と同系の)小野宮流の公任も(ライバル家の彰子に)和歌を献上しやがった。最近の連中は権勢者に追従ばっかりしやがって。フザケンナ」とご立腹でした。実際、ロバート実資は、何度も和歌を献じるように要請されても、言い訳して最後まで拒否しました。


彰子が第二子・敦良親王を産んだとき、出産三日目の産養の儀では、中宮権大夫俊賢は、四百両分の銀食器の御膳を用意して、敦良親王の御衣を玉で飾った二合の筥に据えました。

ちなみに、このとき中宮大夫斉信は、用意した州浜(すはま・お菓子の一種)に二尺(約60センチメートル)の銀の鶴二羽を立てています。


道長三条天皇が争っているとき、三条天皇ロバート実資に、「道長が私に譲位して、敦良親王を東宮にしろという圧をかけてくる。公任や俊賢もいっしょになってプレッシャーをかけてくる」と訴えています(『小右記』)。


ロバート実資は、俊賢のように道長の顔色ばかりうかがってる人を「恪勤の上達部」と皮肉を言っています。「身分が高いのに道長の家来のようなヤツ」という意味です。


年表

では、源俊賢の略年表を示します。年齢は数え年です。


960年:1歳。誕生。

969年:10歳。安和の変で父源高明が失脚。

975年:16歳。叙爵。従五位下。

(歴任)侍従→左兵衛権佐→右中弁→太皇太后宮(詮子)権亮→蔵人頭など。

995年:36歳。現従四位下、参議(道隆道兼が死んで、道長政権が発足したあと)。

1002年:43歳。左中将・中宮(彰子)権大夫

1004年:45歳。権中納言。

1010年:51歳。一条院造営の賞により正二位。公任・行成・隆家を超える。

1011年:52歳。中宮(彰子)大夫

1012年:53歳。皇大后宮(彰子)大夫

1017年:58歳。権大納言。

1018年:59歳。太皇大后宮(彰子)大夫

1019年:60歳。致仕。

1026年:67歳。彰子が出家。(この間、治部卿を十八年間にわたって兼任したほか、一条天皇中宮彰子中宮権大夫・皇太后宮大夫・太皇太后宮大夫(要調査)を一貫して勤める『国史大辞典』)

1027年:68歳。出家して翌日死去。半年後に道長も死去。



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